リビングの扉のガラス部分は、現在ダンボールで代替中

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幼馴染の孝之はヒキニート。親は一流商社に勤めていて、孝之も中学受験をして有名私立校に入ったのに、その学校で馴染めず高校はほとんど登校することなく、卒業もできず除籍となった。親はもう孝之のことは諦めて、彼を残して海外勤務に出てしまっている。残された実家で自由気ままな生活を送る孝之。親がそれなりの生活費を与えているので、引きこもりが許されている羨ましくはないが贅沢な奴だ。

親は十分な生活費を与えていると言ったが、それを使うのは孝之本人なので、生活がままならなくなるほど、オンラインゲームの課金につぎ込んだり、八つ当たりしてリビングの窓ガラスに投げつけて壊したゲーム機を、また買い直したりする。ギャンブラーとかゲーマーの気持ちは全くわからないが、僕にとっては無駄遣いと思えることにお金を費やし、その代わりに食べ物が買えずひもじい思いをすることも、彼らにとってはそれ程でもないらしい。ゲーム機を投げつけて割ったリビングの扉のガラス部分は、現在ダンボールで代替中だが、そのせいでリビングが極寒でも、家の中でダウンコートを着て普通にしのいでいる。もう3か月くらい今の状態だから、このまま暖かくなってきたら、その状態で次の冬までいきそうだ。窓の内側から外を見ると、まだ庭に割れた窓ガラスの破片が散らばったままになっている。

窓ガラスの交換の費用なんて今時それ程高くないだろうし、もしひきこもりの彼が業者を呼ぶのが嫌だというなら、自分が代わりに対応しようかと提案してみたが、孝之はことわってきた。お金と時間が勿体ないと言う。それにそのダンボールを見るだけで、もうゲーム機は投げつけないという自分自身への戒めになっているのだそうだ。

それならなにより、ゲームでお金と時間を浪費して勿体ないということに気づけよと思う。