セレブな友達の家のショウケース

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ちょっとだけ参加した、町内会主催のフラワーアレンジメント教室。そこで私は、年齢も育った環境も違うのに、なぜか気が合った美香子ちゃんと、友達になった。美香子ちゃんは私より10歳も年下だし、綺麗でおしゃれで旦那さんも有名企業にお勤めのセレブ。それなのに傲り高ぶるところがなく、本当に大好きな大切な友達だ。

その美香子ちゃんが引っ越しをして、落ち着いたというので新居に遊びに行くことにした。それまで住んでいた高級マンションも素敵だったけど、今度は念願の一戸建て。それも建売住宅なんかじゃない。美香子ちゃんがご主人と一緒に色々考えた、夢のオーダー住宅だ。訪れた美香子ちゃんの家は、白を基調に洗練されたインテリアでまとめられ、窓ガラスの配置の仕方も使い方もさすがにおしゃれだ。普段は気さくに話せる間柄でも、セレブという事実は隠し通せるものじゃない。さりげなく主張しすぎず置かれているショーケースには、ショーケースに入れるだけの価値のあるものがならんでいた。

そのショーケースの片隅に、私は驚くべきものを発見してしまった。綺麗に磨かれたガラスのショーケースの中には、かなり値の張るものであろう、銀製品が並んでいた。そのガラスケースの中の、一番ひだりにある銀のフォトフレーム。そこには私の知っている懐かしい顔があった。なんとそこには私の高校時代の恩師の写真があったのだ。

美香子ちゃんとの付き合いはもう5年程になるが、美香子ちゃんが先生の娘だなんて、全く知らなかった。残念なことに先生は一昨年亡くなっていたのだが、ガラスケースの中から微笑んでいる先生の笑顔からは、やっと気が付いたかという、いたずらっぽく笑う先生の声が聞こえてきそうだった。

新居にお邪魔して、ガラスケースの中の銀製品のコレクションを見せてもらわなければ、先生とのつながりは知らないままだったはずなので、先生のお心を感じる出来事だった。